M&A戦略は企業成長に不可欠である

こんにちは。岡村憲之です。今日は、M&A戦略が企業の成長にとって、いかに
重要であるかということについてお話します。

M&A戦略というと、最近、流行の戦略だと思っている人がいますが、実際には
それほど新しいものではありません。昔から企業の成長には不可欠な戦略だった
のです。

例えば、皆様の良く知っている松下電器も、松下幸之助の頃から、M&A戦略を
積極的に展開していました。1950年から1980年頃にかけてです。古くは
1950年に東洋電波と資本提携を行いました。また、同じ頃に海外メーカーで
は当時世界NO1だったオランダのフィリップス社と資本提携を行って、日本に
ブラウン管の会社を設立しました。

その後も、日本ビクターに経営支援のため、資本提携を行っています。エレベー
ター事業に参入するため、アメリカのオーチス社の日本子会社に出資するという
ことも行っています。

1970年代に入ると、モトローラの民生機器部門を買収、その後、ボッシュ、
コダック、シーメンス、ワールプールと立て続けに合弁会社を立ち上げました。
さらに、アメリカのMCAの買収までも行いました。

製造業やチェーンストアでは、次々に淘汰されて、最終的に勝ち残れる企業は
3~5社に寡占化されることは明確です。その中に入って、勝ち残れる企業に
なれるかどうかは、経営者のM&A戦略の手腕にかかっているといっても過言
ではないでしょう。

ネット通販はリアル店舗販売を駆逐するか

こんにちは。岡村憲之です。今日は、リアル店舗とネット通販の関係について
お話します。ネット通販は、リアル店舗での販売を駆逐するのでしょうか。

ビー・トゥ・シー、すなわち消費者を対象としたネット通販の市場規模は、
2011年に8兆5千億円にまで拡大しています。

家電量販店の勝ち組企業であるヨドバシカメラでさえ、地下鉄の車内釣りで、
明らかにネット通販を意識したと思われる、リアル店舗の魅力を敢えてアピール
せざるをえない時代となっているのです。

物流会社の絶え間ざるイノベーションにより、通販で購入した商品が当日配達を
可能にするシステムが着々とエリアを拡大しつつあります。物流が完全に当日
配達になれば、通販もリアル店舗にさらに近づくことになります。

そうなると、現物に直接触れて確かめられる点が強みのリアル店舗販売と、
膨大な在庫の中から自由に選べる点が強みの通販と、消費者がどちらを選ぶか
という判断になります。

通販のほうがリアル店舗より価格が安ければ、リアル店舗で確かめてから、
通販で購買するというちゃっかり者もいるかもしれません。しかし、両者の
価格差も是正されて、通販のほうが安いという事態もなくなりつつあります。

純粋にリアル店舗と通販が、それぞれの強みで評価されるようになると、
消費者はその時の都合で選択するようになるでしょう。つまり、リアル店舗
販売と通販は共存するのであり、時間がある時はリアル店舗で買い物を
楽しんだり、忙しくて時間がないときは通販で購入したりと、自由に選択する
ことになるはずです。

最高裁で、医薬品(OTC)の通販が認められました。これに対して、リアル
店舗の側が異議を唱えているようですが、情けない限りです。本当にリアル
店舗で薬剤師が役割を果たしているのであれば、消費者は自ずからリアル
店舗を選ぶはずです。その自信がないから、騒ぐのでしょう。

もっとも、上場企業の大手ドラッグストアは、以前より健康食品や化粧品などの
通販に熱心に取り組んでおり、本音では、医薬品(OTC)に関しても、消費者の
選択肢が広がることは良いことであるという、消費者志向の認識を持っています。

アダムスミスが神の見えざる手という格言を残していますが、私は原則として、
自由競争を妨げるいかなる規制もすべきではないと考えます。特に、規制で
保護されている業界団体には、規制緩和について発言する権利はなく、一切
発言すべきではありません。

業界をあげて、リアル店舗と通販の相乗効果で、市場規模を拡大することを
目指すべきです。判断のすべてを、消費者の自由な意志にまかせる、そして
リアル店舗であろうと、通販であろうと、企業はすべて自社を選んでもらう
ように全力を尽くす、これが本来のあるべき姿だと信じています。

マーケティング講座(14)チャレンジャー戦略

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(14)として、
チャレンジャーのマーケティング戦略についてお話します。

リーダー企業が市場のさらなる拡大を目指すことを前提にマーケティング
戦略を構築し、下位企業と戦うときは同質化戦略を取ることは、すでに
ご説明しました。

それでは、下位企業であるチャレンジャーは、どのようなマーケティング
戦略を取ったらよいのでしょうか。ひとことで言えば、リーダーの戦略の
逆を実施すればよいのです。

同質化戦略に対して、異質化戦略を取ります。すなわち、リーダー企業と
違うこと、リーダー企業がやっていないことや、リーダー企業が手薄な
ことをやるのです。

例えば、P&Gのジョイという製品があります。当時のリーダー企業は
「手肌にやさしい」という点を強調した広告宣伝を繰り広げていました。
それに対して、ジョイは「強力に汚れを落とす」という点を強調する戦略で
戦いを挑んだのです。

テレビCMで、強力な汚れ落としと油切れを訴求するCMを展開することで、
リーダー企業との違いを強調して、一揆にシェアをアップさせたのです。

このように、潜在ニーズは強いが、リーダー企業が捉えきれていない需要を
チャレンジャーが奪うことに成功すれば、一挙にリーダー企業からシェアを
奪い取ることが可能になるのです。

PBによりNBメーカーに変革が迫られている

こんにちは。岡村憲之です。今日はPBの攻勢により、NBメーカーに変革が
迫られているということをお話します。

ファミリーマートのPBであるチョコツリーが、明治製菓の「きのこの山」に類似
しており、間違って購入する人も多いと聞いています。この類似性が問題に
なっているようですが、本当にパッケージの類似性だけが問題なのでしょうか。

都心に出店しているイオンの小型スーパーのマイバスケットで買い物をしました。
ポタージュの粉末スープと、松茸お吸い物を購入しました。どちらもイオンのPB
であるトップバリューブランドです。

特に、松茸お吸い物は、これまで何年も永谷園のものしか食したことがなかった
のですが、トップバリューの商品は、味も香りも何も変わらず、価格だけがとても
安いという印象を持ちました。コストパフォーマンスの高い商品です。

イオンという安心感もありますし、正直な所、「これでいいじゃないか!」という
気がしました。

松茸お吸い物は、パッケージのデザインや色は、NBとはまったく異なるので、
間違えて買うということはありません。パッケージの類似性はなくても、自らの
意思で、積極的にPBを選ぶ人が増えているのではないでしょうか。

小売業が産業化して、チェーンストアになり、メーカーと比べて、企業規模や
コンプライアンスなどで、勝るとも劣らないようになったので、企業に対する
信頼性が高まり、消費者は敢えて広告宣伝費の分だけ高い価格の商品を
購入する必要がなくなったのです。

今後、NBメーカーは、イノベーションにより、いかにクォリティの高い新製品を
市場に導入するかが問われると同時に、大量の広告宣伝により、イメージだけで
販売を伸ばそうとするマーケティング手法を見直すべき時期がきていると思います。

マーケティング講座(13)業界リーダーの戦略

こんにちは。岡村憲之です。今日は、マーケティング講座(13)として、
業界リーダーの戦略についてお話します。

マーケティング戦略は、自社の市場におけるポジションによって大きく
異なります。業界リーダーとは、市場で最大のシェアを持つ企業ですから、
通常、市場で最も高い利益を確保しています。それゆえ、市場が拡大すれば、
最も大きな利益を獲得することができます。

したがって、業界リーダーの最重要な戦略目標は、市場のさらなる拡大
です。少なくとも、市場規模を維持しなければなりません。市場が縮小
した場合に、最も打撃を受けるのも、業界リーダーだからです。

市場を拡大するためには、業界リーダーが他社に先駆けて、新製品を
開発して、定期的に市場に投入することが必要です。これが業界リーダー
としての、マーケティング戦略の王道です。

業界リーダーが低価格戦略を仕掛けてもよいのは、低価格戦略によって
市場規模を拡大できる場合に限ります。低価格戦略によって、市場が
拡大しなければ、業界リーダーは、大幅に利益が低減します。

また、業界リーダーは、追撃する競合企業と戦うために、競合企業の
変化に対しては、どのようなことにも、即座に対応することが大切です。
これをマーケティングでは、同質化戦略といいます。

業界リーダーのマーケティング戦略をひとことで言えば、横綱相撲を
取りなさいということでしょうか。

紳士服ONLYのCI戦略

こんにちは。岡村憲之です。今日は京都に本社のある紳士服チェーンONLYの
CI戦略についてお話します。

株式会社オンリーは、これまで販売店舗においては、主力の「ザ・スーパースーツ
ストア」、インヘイル・エクスヘイルブランドのアウトレット販売等を行う
「スーツアンドスーツ」、オーダースーツを主力とする「インヘイル+エクスヘイル」
レディススーツ専門店「シーラブズスーツ」の4つの店名で店舗展開をしていました。

新たなCI戦略では、これらの4店舗の店名を、すべて社名と同じ「ONLY」に
統一すると発表しています。この企業の最新決算(2012年8月)の売上高は約70
億円、店舗数は、まだ69店舗ですから、店名を分散させるのは得策ではありません。

「ザ・スーパースーツストア」は、それなりに知名度がありますが、一般的な名称
なので、類似企業と混同される恐れがあり、差別化をするだけのインパクトに欠けて
いました。

そうはいっても、ある程度、マーケットで知名度のある店名を、社名と同じとはいえ、
違う店名に切り替えるのですから、相当な覚悟が必要だったと思います。

原則として品揃え等は変更せずに、3年程度をかけて、緩やかに看板や内装などを
切り替えていくということです。

CI戦略は、マーケティング戦略において、極めて重要な要素であるため、この度の
ONLYの戦略は、適切な戦略であると評価できます。

日本ハム糸井、突然のトレードの疑問

こんにちは。岡村憲之です。今日は、日本ハム糸井の突然のトレードについて
お話します。

日本ハムの糸井が、オリックスと2対3の交換比率で、突然トレードされました。
糸井といえば、2004年に投手として日本ハム入りした後、2006年に野手に
転向してから頭角を現した選手です。

2009年からは、4年連続で打率3割を達成し、ゴールデングラブ賞を獲得して
います。さらに、WBCでも中心選手として活躍する主軸の選手です。日本ハム
では、トップクラスの人気選手でもあります。

トレードの理由は、中長期で戦力バランスを取るためと公表していますが、実際は
それだけではないようです。糸井は、昨年12月、主力選手でただ一人、契約更改
をしておらず、2回目からは代理人交渉に切り替えています。そして、今オフには、
ポスティングシステムを利用した大リーグ移籍の意向を示していたとのことです。

ひとことで言えば、球団にとって面倒な選手を放出したということでしょうか。
さらに、大型新人の大谷に外野手のポジションを無理やり用意するためだったと
いう理由もあるようです。

入札制度には、球団の同意が必要なため、移籍したばかりの糸井がポスティング
で大リーガーに移籍するのは難しくなりそうです。海外FA権を獲得する条件を
満たすには、2017年を待たなければならず、本当に気の毒です。

糸井は、「この世界では当たり前のことと捉えている」と、淡々と語っています。
実力のある人材を、従順ではないという理由で、切り捨てるような人事には反発を
感じます。

野球球団も企業ですから、このトレードも、日本ハムが実力、人気を高めるための
マーケティング戦略の一環として考えられます。中長期的な結果がどのようになる
かは分かりませんが、組織は人で構成されるのですから、人の心を大切にしない
企業からは、顧客が離れてしまうのではないかと思えてなりません。

コンビニエンスストアでカフェが全盛

こんにちは。岡村憲之です。今日はコンビニエンスストアのカフェについて
お話します。

低迷している外食産業の中で、唯一、好調な業態がカフェです。スターバックス、
ドトール、タリーズ、サンマルクカフェ、コメダなど、数多くのカフェチェーンが
激しい戦いを繰り広げています。

そこに目をつけて、最初に参入したのが、ハンバーガーチェーンです。マクドナルド
は、「マックカフェ バイ バリスタ」を展開しており、今年の末までには、100店舗
に増やすと発表しています。これは現在の2.5倍の店舗数となります。モスフード
サービスも、モスバーガーとは別に「モスカフェ」の出店を始めました。

そして、このマーケットに新たに参入したのが、コンビニエンスストアです。いち早く
参入したのは、サークルKサンクスであり、昨年の8月までに全6000店舗に導入
しました。ローソンも今年2月までに3000店に導入し、今年度はさらに1000店
に増やす予定です。

さらに、いよいよコンビニの王者セブンイレブンの本格参入が始まりました。新しい
ドリップ式のマシーンを開発して、今夏までに1万5000店に導入することが
決まっています。そして、驚くべき点は、その価格です。一杯100円に設定して、
同業他社よりも低価格で販売します。

カフェ業界は、マイケルポーターのファイブ・フォース分析にある新規参入業者の
驚異にさらされていることがわかります。参入障壁が低い業界では、少し好調と
見るや否や、異業種から続々と新規参入してくるのが常です。強みを明確にして、
差別化ができない企業は、淘汰されてしまうことでしょう。

マーケティング講座(12)ポジショニング

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(12)として、
ポジショニングについてお話します。

マーケティングにおいて、顧客に対して、製品とその価値を明確に印象
づけることで、自社製品を競合企業よりも有利に位置づけるようにする
ことをポジショニングといいます。

ポジショニングの実際の手法としてよく採用されるのは、パーセプション・
マップという手法です。これは、顧客にとって重要と推測される製品価値を
軸として、自社製品と競合製品を二次元にプロットする方法です。

パーセプション・マップでは、競合製品よりも上位、下位にあるという
位置関係だけでなく、その距離感も重視して分析する必要があります。
たとえ上位にあっても、競合製品との距離が短ければ、顧客に対して
差別化が不十分であり、明確に区分してもらえないからです。

したがって、マーケティングにおいて、ポジショニングを成功させる鍵は、
顧客が重視する製品価値や購買決定要因に即していること、自社の
優位性に基づいていること、競合企業に対し明確な差別化がなされて
いること、顧客に対して明確な主張ができることなどです。

マーケティング講座(11)ターゲティング

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(11)として、
ターゲティングについてお話します。

セグメンテーションは、市場を細分化して分析することです。その次の
ステップが、ターゲティングです。ターゲティングとは、どのセグメントを
対象にして、マーケティングを展開するのか決めることです。

ターゲティングの評価基準には、3つあります。まず、市場規模と
成長性、次に、収益性、そして、自社戦略との適合性です。これらの
基準により、自社にとって最も魅力的なターゲットを設定します。

市場規模が大きくても、競合が強力であれば、必ずしも自社にとって
魅力的とは限りません。あるいは、買い手が強いバイイングパワーを
持っている市場では、自社の収益力が弱まります。

また、価格競争が激しい市場に進出することによって、自社のブランド
価値が低下する可能性が高ければ、進出を見合わせるという判断が
必要な場合もあります。

ターゲッティングは、必ずしも1つのセグメントに絞る必要はありません。
特定のカテゴリーで支配的な地位を目指そうとすれば、複数のセグメント
をターゲットとして、それぞれのセグメントに対して、異なるマーケティング
を展開することが必要です。