マクドナルドの新戦略を分析する

こんにちは。岡村憲之です。今日は、マクドナルドの新戦略に対する印象を
お話します。

マクドナルドの既存店売上高が2012年4月から12月まで連続で前年割れ
をしており、同年の1ー9月期連結決算の営業利益が、前年同期比マイナス
17.8%と2桁の落ち込みとなっています。

これは会長兼社長の原田氏が経営トップになってから初めての出来事であり、
業界で話題となっています。不採算店を閉鎖して、大型標準店にシフトする
マーケティング戦略は正しいと思いますが、新たに打ち出されたそれ以外の
戦略については、疑問を感じます。

特に、60秒キャンペーンは、企業の効率化追求の極致という印象で、働く
人のストレスを誘発します。チャップリンのモダンタイムスを連想してしまう
のは、私だけでしょうか。顧客は本当にそこまで望んでいるのでしょうか。

ビッグマックの200円セールなどをやめて、値下げ路線と決別するという
ことですが、消費者の低価格期待をまったく無視したものです。消費者は、
マクドナルドに対して、必要以上の高付加価値など求めていないのではない
かという気がします。

さらに、大前研一氏も指摘していますが、1回1500円以上の注文が必要で、
配達料が別途300円(昨年内は初回無料)かかる宅配サービスが顧客志向で
あるようには思えません。

新戦略は、すべて企業に都合の良い状況に変えようとする、いわばプロダクト
アウトの発想のように思えます。顧客を軸に据えたマーケティング戦略を展開
しなければ、さらなる顧客離れを起こすに違いありません。

マクドナルドは居心地のよい店であり、私も大好きであり、出張時などには、
必ず空いた時間はマクドナルドで過ごします。真に顧客志向の店であり続けて
いただくことを期待しています。

マーケティング講座(8)ファイブ・フォース分析

こんちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(8)ファイブ・
フォース分析についてお話します。

マーケティングにおけるミクロ環境分析に当たって、よく用いられる
フレームワークは、マイケル・ポーターの「ファイブ・フォース分析
(five forces model)」です。

ファイブ・フォース・モデルは、業界の自社に対する力関係を、買い手と
売り手、業界内の競合他社、代替品、新規参入業者の5つのカテゴリーに
分けて分析します。

ポーターは、企業が属する業界の競争状態と収益構造を決定する決め手は
上記の5つであると考えました。そして、このフレームワークにおいて、
最も強い要素が、業界の特性として捉えられると指摘しています。

このフレームワークでミクロ分析すなわち業界分析をすることにより、
自社の属している業界構造を理解して、競争の最重要な要因を特定
することが大切です。

そして、ポーターは、業界特性に応じて、3つの戦略、すなわちコスト
リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略のいずれかを選択して、
そこに経営資源を集中することが、競争優位に位置するポイントであると
提唱しています。

マーケティング講座(7)PEST分析

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(7)として、
PEST分析についてお話します。

マーケティングにおける環境分析は、大きくマクロ環境とミクロ環境に
分けることができます。そして、ミクロ環境は、業界環境と競合環境に
分けることができます。

分析を効率的に進めるためには、フレームワークを活用するのがよいと
思います。マクロ分析をするための代表的なフレームワークは、コトラー
によるPEST分析です。

PESTとは、政治的環境要因( P=political)、経済的環境要因
( E=economic)、社会的環境要因(S=social)、技術的環境要因
( T=technological)の頭文字をとった造語です。

この4つの切り口から考えると、企業を取り巻く大きな背景を捉える
ことができます。企業は、様々な法規制や税制などマクロ環境の制約
から逃れることはできません。

また、企業が成長するためには、積極的に時流に乗っていくことが
重要です。時代の変化に無関心では、生き残っていくことさえ困難
です。時代がどこに向かっているのか正確に把握する必要があります。

「木を見て森を見ず」という格言がありますが、どんな事業を展開する
場合にも、まず大きな観点から分析を始めることが重要です。

ノンアルコール飲料のマーケティング

こんにちは。岡村憲之です。今日は、ノンアルコール飲料のマーケティング
についてお話します。

ビールメーカーは、次々と新製品を発売してきましたが、発泡酒や新ジャンルを
含むビール類の出荷量は10年連続で減少しています。出荷量がピークだった
1994年と比較すると、2011年は、約23%減少しています。

このような状況の中で、ノンアルコールビールや、ノンアルコールカクテルなど、
ノンアルコール飲料の売上高が伸びています。本日の日経流通新聞によると、
食品バイヤーが今年、最も期待する商品となっています。

昨年のノンアルコール飲料の市場規模は、250ミリリットル缶24本換算で、
約3450万ケース、前年比22%増と推計されています。これはアルコール
度数0.00%の本格的なノンアルコール飲料である、キリンフリーが発売
された2009年の3倍以上の数値となります。

2012年7月には、キリンビールとサッポロビールがチューハイ風に参入
して、ビール大手4社がカクテル系およびチューハイ系を取り揃えることで、
フルラインとなりました。

ノンアルコールビールとは、発酵途中でアルコール分を除去するか、あるいは
アルコール分が生成されないように抑制して製造されるビール類のことです。
主に麦、ホップ、糖類、香料などから作られますが、一般のビールが麦、ホップ、
種類によっては米やコーンスターチを原料にしていることを考えますと、両者の
製造原価には大差はないと思われます。

ところが、単価は、一般のビールが500ml缶で、通常300円程度である
のに対して、ノンアルコールビールは200円程度です。ビールには46.8%、
発泡酒には10.9%の酒税がかかるのに対して、ノンアルコールビールには
酒税がかからないからです。

マーケティングで興味深いのは、いちばん後発の「アサヒ・ドライゼロ」です。
デザインは、スーパードライのブランドイメージを生かしているにもかかわらず、
製造方法は、まったく異なるやり方を採用しています。

具体的には、普通はノンアルコールとはいえ麦汁を使い、少しでもビールらしさ
を出そうとする製品が多いのですが、ドライゼロは最初から麦汁を一切使わない
製造方法を採用したのです。

ブランドイメージはビールブランドとノンビールブランドに統一感を持たせながら、
味はそれぞれの特性に合わせるという切れのよいマーケティング戦略です。

マーケティング講座(6)マーケティング戦略

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング戦略の策定方法について
お話します。

マーケティングで最も重要なことは、常に時流に乗っていくということです。
それゆえ、自社の製品やサービスを取り巻く環境がどのように変化しているか
という「環境分析」をして、環境変化が自社に有利に働くか、不利に働くかを
判断することがマーケッターの役割となります。

マーケティング戦略とは、特定された市場機会において、どのように戦って
いくかを考えることです。マーケティング戦略の策定は、セグメンテーション
(市場細分化)、ターゲッティング(標的市場選定)、ポジショニング(市場
における自社の位置づけ)という3つのステップで行います。

この3つのステップは、それぞれの頭文字をとってSTPと呼ばれています。
マーケティング戦略の策定や、マーケティング戦略の評価をする場合の
フレームワークとして活用します。

STPが決まったら、次のステップは、プロダクト(製品)、プライス(価格)、
プレイス(流通チャネル)、プロモーション(販売促進)の4つの個別戦略を
首尾一貫させて構築します。

この4つは、マーケティングの4Pとか、マーケティング・ミックスと呼ばれます。
個別戦略を立案する上で、その基盤として重視すべきは、ポジショニングです。
なぜならば、ポジショニングによって戦い方を変える必要があるからです。

ケンミンSHOWに見るマーケティング

明けましておめでとうございます。岡村憲之です。本年もどうぞよろしく
お願い致します。今日は、ケンミンSHOWに見るマーケティングについて
お話します。

日本テレビ系で、「秘密のケンミンSHOW」という番組をやっています。
この番組では、全国各地の食文化の違いを中心に構成されています。
1月3日は、お正月スペシャルが放映されました。

筑西市周辺に住む茨城県民は、焼き鮭をお餅で挟んだ『しょーびき餅』が
大好きとか、県北部周辺に住む奈良県民は、お雑煮の餅にきな粉をつけて
食べるなど、正月にちなんだ、お餅の独特な食べ方は、初めて目にすること
ばかりで、とても興味深かったです。

この番組を見ると、日本で生まれたエリアマーケティングの重要性を改めて
認識します。食品メーカーやスーパーマーケットなどは、地域特性を十分に
分析して、マーケティングを展開しなければなりません。

また、以前テレビで紹介された名物のその後ということで、熊本県八代市の
キャベツと挽肉が入った「シュードーナツ」と、群馬県太田市の「なすの
蒲焼き重」が紹介されました。テレビ放映後は、ずっと長い行列ができる
ほどの人気が続いているという報告がありました。

テレビによるCMではなく、番組として紹介されることのすごい威力を
みせつけられました。マーケティングにおいても、広告宣伝だけでなく、
PR活動に力点を置かなければならないことを、改めて強く認識しました。