ノンアルコール飲料のマーケティング

こんにちは。岡村憲之です。今日は、ノンアルコール飲料のマーケティング
についてお話します。

ビールメーカーは、次々と新製品を発売してきましたが、発泡酒や新ジャンルを
含むビール類の出荷量は10年連続で減少しています。出荷量がピークだった
1994年と比較すると、2011年は、約23%減少しています。

このような状況の中で、ノンアルコールビールや、ノンアルコールカクテルなど、
ノンアルコール飲料の売上高が伸びています。本日の日経流通新聞によると、
食品バイヤーが今年、最も期待する商品となっています。

昨年のノンアルコール飲料の市場規模は、250ミリリットル缶24本換算で、
約3450万ケース、前年比22%増と推計されています。これはアルコール
度数0.00%の本格的なノンアルコール飲料である、キリンフリーが発売
された2009年の3倍以上の数値となります。

2012年7月には、キリンビールとサッポロビールがチューハイ風に参入
して、ビール大手4社がカクテル系およびチューハイ系を取り揃えることで、
フルラインとなりました。

ノンアルコールビールとは、発酵途中でアルコール分を除去するか、あるいは
アルコール分が生成されないように抑制して製造されるビール類のことです。
主に麦、ホップ、糖類、香料などから作られますが、一般のビールが麦、ホップ、
種類によっては米やコーンスターチを原料にしていることを考えますと、両者の
製造原価には大差はないと思われます。

ところが、単価は、一般のビールが500ml缶で、通常300円程度である
のに対して、ノンアルコールビールは200円程度です。ビールには46.8%、
発泡酒には10.9%の酒税がかかるのに対して、ノンアルコールビールには
酒税がかからないからです。

マーケティングで興味深いのは、いちばん後発の「アサヒ・ドライゼロ」です。
デザインは、スーパードライのブランドイメージを生かしているにもかかわらず、
製造方法は、まったく異なるやり方を採用しています。

具体的には、普通はノンアルコールとはいえ麦汁を使い、少しでもビールらしさ
を出そうとする製品が多いのですが、ドライゼロは最初から麦汁を一切使わない
製造方法を採用したのです。

ブランドイメージはビールブランドとノンビールブランドに統一感を持たせながら、
味はそれぞれの特性に合わせるという切れのよいマーケティング戦略です。