マーケティング講座(16)購買意思決定のステップ

こんにちは。岡村憲之です。今日は、マーケティング講座(16)として、
購買意思決定のステップについてお話します。

マーケティング戦略を策定する上で、消費者の購買意思決定のステップを
理解することは、大きな意味があります。通常、消費者が製品やサービスを
購入するまでには、次の6つのステップを経ると考えられています。

第1ステップは、「問題認知」です。消費者は、自分の生活に何か問題が
生じているから、それを解決するために製品やサービスを購入するのです。
したがって、問題を認知することが購買のスタートとなります。

第2ステップは、「情報収集」です。消費者は、自分の問題解決に必要
だと思われる製品やサービスについて、情報収集をします。ネットから
集めたり、実際に店舗に訪れたりという活動を行います。

第3ステップは、「比較評価」です。できる限り多く集めた情報を整理
して、購買候補の製品やサービスを絞り込んでいきます。その時に、性能、
デザイン、価格などを一覧にして、コストパフォーマンスを比較評価します。

第4ステップは、「購買決定」です。購買候補の製品やサービスを絞り込んで
比較検討した後に、いよいよどの製品やサービスを購買するか決定します。
この段階に至って、実際に購買する意思決定が行われるわけです。

第5ステップは、「購買実行」です。インターネットで購買決定のボタンを
クリックするとか、店舗で販売員に対して購買の意思を告げるなどです。
この段階でも、まだ迷って購買を中止したり、延期したりする場合があります。

第6ステップは、「購買後評価」です。実際に購買した製品やサービスの
評価を行います。広告をいちばんよく見る人は、その製品やサービスを購買
した直後の人といわれています。顧客満足度が決まります。

マーケティングで勝者となるためには、これらの購買意思決定のすべての
ステップで勝ち抜かなければなりません。

マーケティング講座(15)消費者ニーズのつかみ方

こんにちは。岡村憲之です。今日は、マーケティング講座(15)消費者ニーズの
つかみ方についてお話します。

マーケティングを展開する上で、消費者のニーズを把握することは極めて重要です。
消費者はいったいどのような商品やサービスを求めているのか、なぜその商品や
サービスでなければならないのかなどを正確に理解することは、マーケティング
活動の第一歩となります。

消費者ニーズをつかむためには、定量分析と定性分析を組み合わせて実施する
ことが大切です。定量分析とは、例えばアンケート調査です。デモグラフィック、
サイコグラフィック別に、どのような消費者が、どのような商品やサービスを、
どのような理由で購入しているかを定量的に収集します。

それゆえ、アンケート調査の設計は、マーケッターの重要なスキルとなります。
項目の作り方、並べる順番などによっても、回答が変わってしまうので、目的に
応じて、最適なアンケート設計をする必要があります。

定性分析とは、例えばグループインタビューです。直接、消費者の声を聞くことで、
アンケート調査では得られない、より深く突っ込んだ内容を把握することが可能に
なります。自社の商品やサービスのどこが好きなのか、あるいは嫌いなのか。
競合商品と何がどう違うのかなど、マーケッターが知りたい項目について詳細な
情報を得ることができます。

ただし、グループインタビューでは、対象者により偏った傾向が強調されることが
あるので、どのような人が、どういう意図で、なぜそのような発言をしたのか。
マーケッターは対象者の個性も含めて、発言の背景を十分に考慮した上で、発言
内容の評価をしなければなりません。

いずれにしても、消費者ニーズの把握は、マーケティング展開のスタートとなるので、
マーケッターは、誰に対して、どのような手法でアプローチすると、どのような成果が
得られるのかという、フレームを押さえておくことが大切です。

マーケティング講座(14)チャレンジャー戦略

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(14)として、
チャレンジャーのマーケティング戦略についてお話します。

リーダー企業が市場のさらなる拡大を目指すことを前提にマーケティング
戦略を構築し、下位企業と戦うときは同質化戦略を取ることは、すでに
ご説明しました。

それでは、下位企業であるチャレンジャーは、どのようなマーケティング
戦略を取ったらよいのでしょうか。ひとことで言えば、リーダーの戦略の
逆を実施すればよいのです。

同質化戦略に対して、異質化戦略を取ります。すなわち、リーダー企業と
違うこと、リーダー企業がやっていないことや、リーダー企業が手薄な
ことをやるのです。

例えば、P&Gのジョイという製品があります。当時のリーダー企業は
「手肌にやさしい」という点を強調した広告宣伝を繰り広げていました。
それに対して、ジョイは「強力に汚れを落とす」という点を強調する戦略で
戦いを挑んだのです。

テレビCMで、強力な汚れ落としと油切れを訴求するCMを展開することで、
リーダー企業との違いを強調して、一揆にシェアをアップさせたのです。

このように、潜在ニーズは強いが、リーダー企業が捉えきれていない需要を
チャレンジャーが奪うことに成功すれば、一挙にリーダー企業からシェアを
奪い取ることが可能になるのです。

マーケティング講座(13)業界リーダーの戦略

こんにちは。岡村憲之です。今日は、マーケティング講座(13)として、
業界リーダーの戦略についてお話します。

マーケティング戦略は、自社の市場におけるポジションによって大きく
異なります。業界リーダーとは、市場で最大のシェアを持つ企業ですから、
通常、市場で最も高い利益を確保しています。それゆえ、市場が拡大すれば、
最も大きな利益を獲得することができます。

したがって、業界リーダーの最重要な戦略目標は、市場のさらなる拡大
です。少なくとも、市場規模を維持しなければなりません。市場が縮小
した場合に、最も打撃を受けるのも、業界リーダーだからです。

市場を拡大するためには、業界リーダーが他社に先駆けて、新製品を
開発して、定期的に市場に投入することが必要です。これが業界リーダー
としての、マーケティング戦略の王道です。

業界リーダーが低価格戦略を仕掛けてもよいのは、低価格戦略によって
市場規模を拡大できる場合に限ります。低価格戦略によって、市場が
拡大しなければ、業界リーダーは、大幅に利益が低減します。

また、業界リーダーは、追撃する競合企業と戦うために、競合企業の
変化に対しては、どのようなことにも、即座に対応することが大切です。
これをマーケティングでは、同質化戦略といいます。

業界リーダーのマーケティング戦略をひとことで言えば、横綱相撲を
取りなさいということでしょうか。

マーケティング講座(12)ポジショニング

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(12)として、
ポジショニングについてお話します。

マーケティングにおいて、顧客に対して、製品とその価値を明確に印象
づけることで、自社製品を競合企業よりも有利に位置づけるようにする
ことをポジショニングといいます。

ポジショニングの実際の手法としてよく採用されるのは、パーセプション・
マップという手法です。これは、顧客にとって重要と推測される製品価値を
軸として、自社製品と競合製品を二次元にプロットする方法です。

パーセプション・マップでは、競合製品よりも上位、下位にあるという
位置関係だけでなく、その距離感も重視して分析する必要があります。
たとえ上位にあっても、競合製品との距離が短ければ、顧客に対して
差別化が不十分であり、明確に区分してもらえないからです。

したがって、マーケティングにおいて、ポジショニングを成功させる鍵は、
顧客が重視する製品価値や購買決定要因に即していること、自社の
優位性に基づいていること、競合企業に対し明確な差別化がなされて
いること、顧客に対して明確な主張ができることなどです。

マーケティング講座(11)ターゲティング

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(11)として、
ターゲティングについてお話します。

セグメンテーションは、市場を細分化して分析することです。その次の
ステップが、ターゲティングです。ターゲティングとは、どのセグメントを
対象にして、マーケティングを展開するのか決めることです。

ターゲティングの評価基準には、3つあります。まず、市場規模と
成長性、次に、収益性、そして、自社戦略との適合性です。これらの
基準により、自社にとって最も魅力的なターゲットを設定します。

市場規模が大きくても、競合が強力であれば、必ずしも自社にとって
魅力的とは限りません。あるいは、買い手が強いバイイングパワーを
持っている市場では、自社の収益力が弱まります。

また、価格競争が激しい市場に進出することによって、自社のブランド
価値が低下する可能性が高ければ、進出を見合わせるという判断が
必要な場合もあります。

ターゲッティングは、必ずしも1つのセグメントに絞る必要はありません。
特定のカテゴリーで支配的な地位を目指そうとすれば、複数のセグメント
をターゲットとして、それぞれのセグメントに対して、異なるマーケティング
を展開することが必要です。

マーケティング講座(10)セグメンテーション

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(10)として、
セグメンテーションについてお話します。

モノが不足していた時代には、消費者を大衆と捉えて、全消費者を均一の
対象としてマーケティングを展開することが、効率を高めていました。

しかし、現在はもの余り時代であり、消費者のニーズも多様化しています。
それゆえ、企業は消費者を何らかの基準により、同質ニーズを持つグループ
に分けて、マーケティング展開していくことが必要となっています。

このように消費者をグループ分けすることをセグメンテーションといいます。
日本語にすると、市場細分化ということになります。

セグメンテーションを行うに当たっては、3つの条件を満たす必要があります。
1つ目は、測定が可能なことです。2つ目は、アクセスが可能なことです。
3つ目は、十分な需要規模があることです。

通常、セグメンテーションには、コトラーが提唱した4つの軸が使われます。
(1)地理的変数:地方、人口密度、気候など
(2)デモグラフィクス(人口動態変数):年齢、性別、家族構成、所得
    職業、学齢など
(3)サイコグラフィック変数(心理的変数):社会階層、ライフスタイル、
    性格など
(4)行動上の変数:使用機会、ベネフィット、使用頻度、ロイヤリティ、
    製品の使用形態など

この中で、デモグラフィックスの年齢を例にとっても、シングル、夫婦、子育て
家族などのライフステージ、20代、30代、40代などのエイジング、昭和
世代、平成世代、バブル世代などのジェネレーションなどの軸があります。

セグメンテーションは、企業が市場をどのように捉えるかということであり、
マーケティングの要であるということができます。

マーケティング講座(9)3C分析

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(9)3C分析
についてお話します。

マーケティングにおけるミクロ分析のフレームワークとして、ファイブ・
フォース・モデルをご紹介しましたが、さらに詳細に分析するための
フレームワークが、3C分析です。

3C分析とは、Customer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)
の頭文字を取って作成した造語です。

実際にマーケティングを展開していくためには、顧客は誰なのか、どんな
競合がいるのか、自社はその中でどのように強みを発揮していくのかを
検討していきます。それにより、より詳細に市場分析ができて、戦う方向性
が見えてきます。

Customer(顧客)分析には、市場分析すなわち、市場規模や市場予測
なども含まれます。そして、市場予測をする上で、市場成長を促す要因を
ドライバーと呼んでいます。ドライバーが何かを見極めることが大切です。

Competitor(競合)分析では、市場におけるポジション、すなわち競合
各社の市場シェアとその推移を予測することが、マーケティングにおける
ミクロ分析の重要な要素となります。

Company(自社)分析では、Competitor(競合)と様々な要素を徹底比較
することで、自社の強み・弱みを明確にして、戦う方向性を明らかにして
いきます。

マーケティング講座(8)ファイブ・フォース分析

こんちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(8)ファイブ・
フォース分析についてお話します。

マーケティングにおけるミクロ環境分析に当たって、よく用いられる
フレームワークは、マイケル・ポーターの「ファイブ・フォース分析
(five forces model)」です。

ファイブ・フォース・モデルは、業界の自社に対する力関係を、買い手と
売り手、業界内の競合他社、代替品、新規参入業者の5つのカテゴリーに
分けて分析します。

ポーターは、企業が属する業界の競争状態と収益構造を決定する決め手は
上記の5つであると考えました。そして、このフレームワークにおいて、
最も強い要素が、業界の特性として捉えられると指摘しています。

このフレームワークでミクロ分析すなわち業界分析をすることにより、
自社の属している業界構造を理解して、競争の最重要な要因を特定
することが大切です。

そして、ポーターは、業界特性に応じて、3つの戦略、すなわちコスト
リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略のいずれかを選択して、
そこに経営資源を集中することが、競争優位に位置するポイントであると
提唱しています。

マーケティング講座(7)PEST分析

こんにちは。岡村憲之です。今日はマーケティング講座(7)として、
PEST分析についてお話します。

マーケティングにおける環境分析は、大きくマクロ環境とミクロ環境に
分けることができます。そして、ミクロ環境は、業界環境と競合環境に
分けることができます。

分析を効率的に進めるためには、フレームワークを活用するのがよいと
思います。マクロ分析をするための代表的なフレームワークは、コトラー
によるPEST分析です。

PESTとは、政治的環境要因( P=political)、経済的環境要因
( E=economic)、社会的環境要因(S=social)、技術的環境要因
( T=technological)の頭文字をとった造語です。

この4つの切り口から考えると、企業を取り巻く大きな背景を捉える
ことができます。企業は、様々な法規制や税制などマクロ環境の制約
から逃れることはできません。

また、企業が成長するためには、積極的に時流に乗っていくことが
重要です。時代の変化に無関心では、生き残っていくことさえ困難
です。時代がどこに向かっているのか正確に把握する必要があります。

「木を見て森を見ず」という格言がありますが、どんな事業を展開する
場合にも、まず大きな観点から分析を始めることが重要です。